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アカデミーモジュール 4 · 分野の語彙と決定の記録
ステートメントで主張と決定を記録
このレッスンで学ぶこと
- ステートメントを原文のまま保存する理由と、"Capture your decisions and questions"が制御する範囲を説明できる。
- 7種類のステートメントを挙げ、文を適切なグループへ分類できる。
- エンティティページで、立場の極性と第三者の発言者情報を読み取れる。
- supports/rebuts/respondsToエッジが、自分で文章中にリンクを書いた場合にだけ存在する理由を説明できる。
- "Revisions"パネルで、ノートをまたぐ改訂を確認、確定、取り消し、再計算できる。
3か月前、会議ノートに"We'll price Pro at $29/month."と書きました。5週間後には別のノートへ"Pricing update: Pro moves to $39/month."と書きました。今日、チームメンバーがProの価格を尋ねます。ノートには両方の答えがあり、検索は古いほうも平然と返します。必要なのは、2つの文をどちらも保持し、どちらも決定だと理解し、後の文が前の文を改訂したと把握する記憶です。古い価格には取り消し線をつけ、何に置き換えられたかを示します。
それがステートメント層です。エンティティと関係がノートに描かれた世界を記録するのに対し、ステートメントはあなた自身を記録します。先ほど抽出器へ教えた語彙は、多くの動詞をひとつのエッジへまとめます。この層は反対に、文全体をそのまま保ちます。
Settingsの"Capture your decisions and questions"は既定で有効です。有効にすると、抽出が重要な文を一字一句そのままグラフへ取り込みます。7種類に分類し、発言者と対象を追跡し、議論し合う文をつなぎます。改訂履歴の信頼性も保ちます。このレッスンの到達点は、日常的に使う"Revisions"パネルです。
正確な言葉を残す理由
抽出は保存されたノートを読むとき、自分が何かに明確に関与した文も探します。決定、抱えている質問、主張、残したい引用、好み、価値観、立場です。それぞれがグラフ内の第一級ノード、ステートメントとなり、出典ノートに固定され、そのノート名とステートメント番号で識別されます。保存されるテキストは要約ではなく、実際に書いた文そのものです。そのため、あとでアプリに"価格について何を決めたか?"と尋ねると、自分の言葉がそのまま引用されます。
自分の言葉を、そのまま保存する
ノートと同じ言語で、ひとつの文を一字一句そのまま保存します。あとでアプリが引用するときも、その文自体が返ります。
明確に表明した言葉だけを取得します。"Maybe we should…"や"I think…"は検討として残ります。ステートメントになるのは、実際に支持した内容だけです。
種類、立場の極性、根拠関係はそれぞれ固定された選択肢から選ばれるため、この層の値はモデルが意図的に選んだものです。
- 正確な抜粋:編集していない、あなたの文。
- 種類:以下の7つのうち、必ずひとつ。
- 何についての文か:関係するエンティティへのリンク。ただし、同じノート内で表明されたものだけ。
- 誰の発言か:発言者が自分ではない場合にだけ記録。
- 極性:favor、against、neutral。stanceとpreferenceのステートメントだけに付与。
7つの種類と、誰が言ったか
7つの種類は2つのグループに分かれます。4つはある時点の行為です。そのノート、その日に一度起きたこと、つまり決めた、尋ねた、主張した、引用したという行為です。3つは継続的な傾向で、変更するまでは自分について真であり続けるもの、つまり好み、価値観、立場です。
| 種類 | グループ | 例文 |
|---|---|---|
| Decision | ある時点の行為 | "We'll price Pro at $29/month." |
| Question | ある時点の行為 | "Should onboarding come before billing?" |
| Claim | ある時点の行為 | "First-week experience drives churn." |
| Quote | ある時点の行為 | "Simple scales; clever doesn't."(第三者の引用) |
| Preference | 継続的な傾向 | "I prefer writing specs before code." |
| Value | 継続的な傾向 | "Privacy beats convenience in this product." |
| Stance | 継続的な傾向 | "I'm against launching before the audit." |
エンティティのプロフィールページを開くと、その対象に関するステートメントが"In your words"の下に表示されます。"Decisions"、"Open questions"、"Claims"、"Quotes"、"Preferences"、"Values"、"Stances"が、それぞれアイコン付きでまとまります。各ステートメントは出典ノートへリンクし、ノートにステートメントが生まれた時点でこのセクションが表示されます。
継続的な種類のうち2つには、追加情報があります。Stanceとpreferenceには、favor、against、neutralの極性が記録され、文の隣に小さなバッジで表示されます。極性は固定された選択肢なので、どのバッジも明確にひとつの意味を持ちます。
すべてのステートメントは発言者も把握します。自分の文なら、追加情報は記録されません。発言者がない場合はノートの著者を意味します。ノートが他者を引用または報告している場合、たとえば引用元や"Sarah decided X"のような文では、その人物が発言者として記録され、その人のエンティティへつながります。エンティティページでは、文のあとに発言者名が表示されます。
第三者の言葉は、第三者のものとして残る
ノートに"Sarah decided we ship the migration in March."とある場合、取得されたステートメントの種類はdecisionですが、あなたの決定ではありません。発言者情報がつき、エンティティページでは文のあとに"Sarah"と表示されます。
発言者の記録がない場合は、ノートの著者であるあなたの発言です。この既定の扱いによって、自分の言葉が自分のものとして保たれます。
来歴を表す標準言語
発言者情報には、科学データセットやアーカイブで誰が何を作ったかを記録するW3Cの来歴語彙、PROVの考え方を取り入れています。広いデータ分野ですでに使われている標準です。
あとで見る機械提案にも、同じ方法で提案者と日時が記録されます。そのため、グラフは科学アーカイブやオープンデータと同じ来歴の言語を使えます。
主張を結ぶ根拠・反論・応答の関係
ノートは事実を述べるだけではありません。"Because of that…"、"this contradicts…"、"answering yesterday's question…"のように議論します。文章が2つのステートメントを明示的につないでいる場合、グラフはそのリンクをsupports、rebuts、responds toとして記録します。信頼性を守るルールはひとつです。これらのリンクは、自分で文章中につないだ場合にだけ存在します。機械が推論の筋道を補うことはないため、supportsやrebutsの連鎖は必ず自分が書いたものです。
“Proの価格は月額29ドルにする。”
2026-03 · pricing.md
“競合各社は30〜40ドルの価格帯に集中している。”
market-scan.md
“年払いは2か月分を無料にすべきか?”
“Proを月額39ドルに改定する。”
2026-06 · pricing-v2.md
矢印のラベルを選ぶと、その関係の意味を確認できます。
In the note:
1 Our churn data says the first week decides retention. → claim (statement 1)
2 Because of that, we'll rebuild onboarding before billing. → decision (statement 2)
3 Minsu disagrees. He says pricing, not onboarding, → claim (statement 3)
drives churn. (said by Minsu)
Stored links, only because the text itself connects them:
statement 1 supports statement 2 ("Because of that")
statement 3 rebuts statement 1 ("disagrees")
No explicit link in the text → no link.
The graph never invents your reasoning.考えを変える:supersedes、retracts、導出される状態
考えは変わります。その変化を記録するステートメント間の関係が、もう2つあります。ここでも文章に明記された場合だけです。Supersedesは、このステートメントが以前のものを置き換えることを示します。Retractsは、以前のステートメントが撤回され、代わりはないことを示します。これらのリンクから、各ステートメントにはcurrent、superseded、retractedというライフサイクル状態が生まれます。この状態はストアへ書き込まれません。その時点で存在する改訂リンクを使い、読み取り時に計算されます。
状態を保存せず、計算する理由
アプリがステートメントへ"superseded"と書き込むと、誰も表明していない事実がストアに残ります。あとで改訂エッジを削除しても、古いフラグが残って誤解を招くかもしれません。読み取り時に状態を計算することで、ストアはひとつの原則を守れます。保存するのは、誰かが実際に表明した主張、つまりノート内の自分の言葉、または発信元が記録されレビュー可能な機械提案だけです。
改訂を取り消せば、以前の決定は自動的にcurrentへ戻ります。状態を書き込んでいないため、後片付けも不要です。
結果はアプリの各所に表示されます。supersededまたはretractedのステートメントには取り消し線が入り、"Superseded"または"Retracted"バッジがつきます。その隣の"Superseded by {note}"または"Retracted by {note}"リンクを押すと、改訂したノートが開きます。古い言葉は削除されず、正直なラベルとともに保たれます。
後のノートが、以前の決定を改訂するとき
ここまでは、ひとつのノート内で自分でステートメントをリンクする改訂を扱いました。しかし実際の決定は、たいていノートをまたいで変わります。6月の会議ノートで決めたことを、7月のノートで変えても、互いへの言及はないかもしれません。決定を含むノートを抽出したあと、アプリは同じエンティティについて、後のノートが以前の決定を改訂していると推定できます。この機械による推定が、ノートのグラフへ触れることはありません。各提案は別の`#analysis`名前付きグラフに置かれ、レビュー状態と提案日時が記録され、確認を待ちます。
- 参加するのはdecision種類のステートメントだけです。自分の決定がどう変化したかを扱う層です。
- 順序には、フロントマターまたは本文でノート自身が示す日付を使います。ファイルの更新日時は使いません。意思決定ノートに日付を書けば、自動で正しい順に並びます。
- 確信度の高い提案は自動適用され、"Applied"と表示されます。常に"Undo"で取り消せます。
- 却下は永続的に記憶されるため、同じ組み合わせが再び提案されることはありません。
- 確定したリンクだけが、アプリ全体で決定を"Superseded"として表示させます。
"Revisions"パネルで改訂を確認する
- パネルを開く
タイトルバーの"Open knowledge graph"を押し、左レールで"Revisions"を選びます。
- 組み合わせを読む
各行にはNEW(後の決定の文)、REVISES(以前の決定の文)、ノートの経路"{later note} → {earlier note}"が表示されます。"Search decisions…"で一覧を絞り込めます。
- 確定または却下する
"Confirm"を押すと、以前の決定がアプリ全体で"Superseded"になります。"Reject"は提案を完全に却下し、同じ提案は二度と出ません。
- 自動適用を監査する
確信度の高い改訂は、最初から"Applied"と表示されます。誤っていれば"Undo"を押します。
- 疑わしいときは再走査する
"Recompute all"を押すと、ボタンが"Recomputing…"に変わり、見落とした改訂がないかワークスペース全体を走査します。"No revisions to review yet."と表示されれば、確認は完了です。
決定が置き換えられる様子を見る
- フロントマターまたは本文に"2026-06-01"のような日付を明記し、明確な決定"We'll price Pro at $29/month."を含むノートを作ります。
- より後の日付"2026-07-01"を持ち、"Pricing update: Pro moves to $39/month."と改訂する2つ目のノートを作ります。
- 抽出の完了を待ちます。各ノートのドキュメントサイドバーに"Key facts"バッジが表示されたら、"Open knowledge graph" → "Revisions"を開きます。
- 組み合わせが提案として待機していれば"Confirm"を押します。確信度が高ければ、すでに"Applied"と表示されています。
- 対象(たとえば"Pro")のエンティティページを開き、"In your words"までスクロールします。
6月の決定には取り消し線が入り、"Superseded"バッジと、7月のノートへ移動する"Superseded by {note}"リンクが表示されます。7月の決定はcurrentとして残り、ノート自身が示す日付で順序づけられます。
- ステートメント
- 原文のままの1文を第一級ノードとして保存したもの。ノート名とステートメント番号で識別する。
- ステートメント種類
- decision、question、claim、quote、preference、value、stanceという固定された7種類のいずれか。
- 立場の極性
- favor、against、neutralの固定リスト。stanceとpreferenceのステートメントだけに付与される。
- 発言者情報
- 自分以外の発言者を記録したもの。記録がない場合は、ノートの著者を意味する。
- 根拠リンク
- supports、rebuts、responds to。ステートメント間のリンクで、著者が明示した場合にだけ存在する。
- 改訂
- 後の決定が以前の決定を変更すること。ひとつのノート内、またはノートをまたぐ推定として記録される。
- 導出状態
- current、superseded、retracted。改訂リンクから読み取り時に計算し、保存はしない。
- ノート日付
- フロントマターまたは本文で、ノート自身が示す日付。Revisionsはこの日付で並べ、ファイルの保存日時は使わない。
主張と決定の変更履歴を管理
ステートメントで3層モデルが完成します。エンティティはノートに同一性を与え、関係は構造を与え、ステートメントは声と時間軸を与えます。エージェントに"価格について何を決め、いつ変更したか?"と尋ねると、この層が自分の文のまま、発言者と正確な改訂を添えて答えます。次は、この層を直接使うコマンドを学びます。/revisions、/tensions、/briefはいずれも、ここで取得した決定や立場を読み取ります。
エッジの撤回と、決定の改訂を区別する
近い場所に2つの操作があります。プロフィールのチップで誤ったつながりを削除する操作は、エンティティ間のエッジを撤回します。"Revisions"と"Confirm"は、決定ステートメントを置き換えます。違いを理解すれば、正しい対象だけを修正できます。
ノートをまたぐ改訂がまだ表示されない場合は、両方の意思決定ノートに自身の日付を書き、"Recompute all"を押してください。