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アカデミーモジュール 8 · 資料収集と実践的な活用

調査資料の収集から出典付きレポートまで

全3レッスン中 3番目14分

このレッスンで学ぶこと

  • ソースを取り込み、エンティティの抽出を待ち、中心となる問いから案件を作る一連の調査パイプラインを実行できる
  • エンティティページから案件のピン留めネットワークを広げ、グラフキャンバスとエンティティテーブルへ投影できる
  • 調査対象の場所をライブマップへ表示し、ピンからナレッジグラフへ戻れる
  • 主張と根拠を原文のStatementとして記録し、後のノートで以前の結論を更新できる
  • すべての事実を出典ノートへリンクした報告を作成し、再開時に新しい根拠を確認できる

供給会社Taeyang Componentsとの3年契約を検討するとします。監査報告書のPDF、2年分の会議録、ニュース記事、蔚山工場の住所、上流サプライヤーの所有者に関する資料を確認する必要があります。

このレッスンでは、資料の取り込み、エンティティの確認、ケースの作成、地図分析、主張と根拠の記録、出典付きレポートの作成を進めます。学んだ機能を、繰り返し使える調査手順にまとめる実習です。

ステージ1:資料の取り込みとエンティティ抽出

調査は、まず資料の山から始まります。最初に整理しようとせず、ワークスペースへ入れて抽出に任せます。ノートを保存するたびにバックグラウンド抽出が読み取り、人物、組織、場所がナレッジグラフのエンティティになります。タグもフォルダ分類も不要です。未処理の資料が大量にある場合は、アクティビティセンターから「このワークスペースのナレッジグラフを構築しますか?」「構築」を使って一括処理できます。

  • 手元にあるファイル。ワークスペースへ追加し、ノートごとの抽出または一括構築でグラフを作ります。
  • オープンウェブ。/researchに続けてトピックを入力するか、⌘⇧Rを押します。ディープリサーチが問いの範囲を定め、検索を並列に行い、ソースごとに1つのドキュメントをresearch/フォルダへ書き込みます。各ドキュメントは通常のノートと同様にグラフへ抽出されます。
  • 一度きりの文脈。チャットの添付(クリップ、ドラッグ&ドロップ、貼り付け)は1つの会話に情報を渡しますが、グラフが成長するのはワークスペース内の資料からだけです。調査に残すべきドキュメントは、ワークスペースへ入れます。

質問する前にグラフの構築を終える

一括構築中にチャットを送ると、「ナレッジグラフを構築中」ダイアログに進行状況(「{total}件中{done}件のノートを抽出済み」)が表示されます。「抽出完了後に送信」を選びます。メッセージは帯の中で待機し、構築が落ち着いた時点で送信されるため、すべてのソースに基づく回答を得られます。この確認は、1回の構築につき最大1回だけです。

ステージ2:質問し、チャットを案件としてピン留め

最初の確認を始めます。「新しいチャット」(⌘⇧C)を開き、広い問いから始めます。主要なエンティティを@メンションすると、その最新プロフィールも文脈に入ります。回答を注意して読みます。ワークスペース検索には、「この情報がノートのどこから来たか」という小さなグラフが付き、[[bracketed]]形式の参照から元のノートやエンティティページを開けます。会話で重要な人物や組織を扱うと、最初のエンティティ集合が自然にできます。ここで固定します。

会話を案件にする

  1. 問いを重ねる

    新しいチャットで主要なエンティティ(「@Taeyang Components」「@Pacific Alloys」)を@メンションし、最初の質問をします。アシスタントの引用が、ピン留め対象の多くを集めます。

  2. ピン留めする

    サイドバーのセッション一覧でチャットを右クリックするか、「…」ボタンを押し、「案件としてピン留め…」を選びます。

  3. 通知を確認する

    「新しい案件へピン留めしました」という通知と、エンティティ数が表示されます。会話で扱ったナレッジグラフのエンティティがすべてピン留めされ、チャットは案件へ取り込まれ、案件が開きます。

  4. 問いを定める

    インラインの「案件名」欄で名前を変更し、「この案件は何についてのものですか?」へ中心となる問いを入力します。

  5. ログを始める

    最初の発見を「調査ログ」へ書きます。進行中のメモと発見を残す場所で、別の場所をクリックすると保存され、セッションをまたいで蓄積されます。

ピン留め時の抽出は決定論的で、AIを使いません。アプリは、会話がすでに持っている@メンショントークンとアシスタントの[[…]]引用を読みます。各ラベルを現在のナレッジグラフに照合し、通常のノートへの引用など、エンティティノードでない項目は除外します。別名は同一性に基づいて1つのチップへまとめられます。

調査を導く問いの作り方

弱い例:「仕入先の調査」。強い例:「Taeyang Componentsは、3年契約を任せられる取引先か?」。良い問いはエンティティを明示し、はい・いいえで答えられる判断を内包し、どのような根拠があれば決着するかを示します。他の要素はこの一文から導かれます。どのエンティティをピン留めするか、どの主張に出典が必要かが決まります。

案件
調査のコンテナです。1つの中心的な問い、ピン留めしたエンティティ、取り込んだ会話、ログをまとめます。
中心となる問い
「この案件は何についてのものですか?」に書く自由記述です。他の調査要素は、この問いから導きます。
ピン留めしたエンティティ
同一性に基づいて案件へ固定したグラフのエンティティです。ラベルはピン留め時の表示を保持します。
取り込んだ会話
案件に属するチャットです。取り込みは参照なので、チャットは履歴にも残ります。
調査ログ
案件の継続的なメモです。別の場所をクリックすると保存され、セッションをまたいで蓄積されます。
新しい根拠の差分
再開時に、前回の訪問後に根拠が増えたピン留めエンティティを一覧にする確認機能です。

ステージ3:つながりを1つずつ確認してネットワークを広げる

次にネットワークを調べます。ピン留めしたチップをクリックしてエンティティページを開きます。方向矢印と平易な関係名が付いたつながりが順位順に表示され、隣接項目にポインターを重ねると、その事実を記したノートの原文を確認できます。誤ったエッジもここで削除できます。隠れたリンク解除ボタン(「このつながりは誤りです」)は恒久的な撤回を記録し、再抽出しても復活しません。

監査法人や競合入札者など、隣接エンティティが重要だと分かったら、そのページのヘッダーにある「案件に追加」を使います(通知:「{label}を案件に追加しました」)。調査はこのように進みます。リンクをたどり、出典の原文を確認し、残すべきものをピン留めします。

案件のボタン動作補足
「この案件で続ける」新しいチャットを開いて案件へ取り込み、ピン留め済みの全エンティティを@メンションとして入力欄へ設定し、最新プロフィールを文脈に含める常に使用可能。実際のメンションチップなので、送信前に不要なものを削除できます。
「キャンバスに表示」ピン留めした集合だけを切り出し、種別ごとに色分けして3Dグラフキャンバスへ投影する1件以上のエンティティをピン留めするまで使用できません。
「テーブルで開く」名前 / 種別 / つながり / ノートの列に加え、絞り込みと並べ替えを備えた、案件専用のエンティティテーブルを開く1件以上のエンティティをピン留めするまで使用できません。

対象、リンク、プロパティ:分析の循環

警察の証拠ボードから現在の情報分析向けオントロジーツールまで、専門的なリンク分析の基盤には共通のリズムがあります。世界をプロパティ付きの対象としてモデル化し、型付きのリンクで結び、リンクをたどりながら各段階で出典を確認します。ここでの案件は、それを個人規模で実践するものです。ピン留めしたエンティティが対象、出典原文のあるグラフの関係がリンク、案件は1つのグラフに対する保存済みの視点、つまり投影です。そのため、案件を削除しても失われるのは視点だけです。

ステージ4:場所を地図に置く

地理情報も根拠です。専用の地図ボタンはありません。「この案件に関係するすべての施設を地図にして」と依頼します。エージェントが各場所をジオコーディング(「場所をジオコーディング中」カード)し、地図を作成(「作成された地図」カード)すると、会話内に操作可能なライブマップが現れます。「大きく表示」で凡例とベースマップスタイルを備えた全画面タブとして開きます。チャットは左サイドバーに収まるため、「港も追加して」「所有者ごとに施設を色分けして」と続けて指示できます。

地図から質問へ戻ることもできます。地物をクリックすると、「選択中:{label}」ピルが表示され、入力欄に@labelメンションのチップが入ります。次のメッセージにはその地物の正確なデータが付くため、「なぜこれだけ孤立している?」とすぐに尋ねられます。エンティティに紐づく地物には「グラフで表示」が付き、ワンクリックで地図からグラフへ移動できます。さらに、エンティティの座標はナレッジグラフ専用の地理レイヤーへ保存され、再抽出後も残ります。数週間後、地図を開いていなくても「蔚山工場から2 km以内には何がある?」と尋ねれば、実際の答えを得られ、現実の経路や移動時間範囲も計算できます。

ステージ5:主張と根拠を自分の言葉で記録する

頭の中やプレーンテキストのログだけにある発見は、根拠になりません。ノートとして書きます。「意思決定と質問を記録」をオンにすると(初期値はオン)、抽出時に断定的な文を原文のままStatementとして取り込みます。意思決定、未解決の問い、主張、引用に加え、継続的な好み、価値観、立場も対象です。

文章内で2つのStatementを明示的に結ぶと、そのリンクも抽出されます。「これは上の意思決定を支持する」「これは生産能力に関する主張へ反論する」といった文です。根拠のリンクは著者が明示したものだけを記録します。自分が書いたつながりだけを取り込むため、推論の形が変わりません。

主張と根拠として抽出できる分析ノート
# Taeyang assessment, 2026-03-02

Decision: we will shortlist Taeyang Components
for the three-year contract.

The 2025 audit's 98% on-time delivery rate
supports this decision.

Claim: the Ulsan plant is running near capacity.

Open question: who owns Pacific Alloys,
Taeyang's main upstream supplier?

各Statementは、関連するエンティティページの「あなたの言葉」へ表示されます。状態は保存値ではなく、常に導出されます。後のノートで以前の意思決定を改訂すると(「2026-05-10:Taeyangを候補から外す」)、ノートをまたぐ置換関係が提案されます。確信度の高い提案は自動適用されますが、いつでも取り消せます。それ以外は改訂パネルで「確認」または「却下」を待ちます。確認後、以前の意思決定は各所で取り消し線付きとなり、「{note}により置換」リンクが付きます。順序にはノート自体に記された日付を使うため、分析ノートへ日付を付ければ、自動的に改訂タイムラインへ並びます。

ステージ6:出典付きレポートと追加調査

成果物を作成します。案件で「この案件で続ける」をクリックします。新しいチャットが案件へ取り込まれ、ピン留めした全エンティティが実際の@メンションチップとして入力済みになります。不要なものは削除できます。「中心となる問いへ答える1ページの評価を書き、すべての事実に出典ノートを付けて」と依頼します。下書きには、クリックできる[[citations]]形式の参照が付きます。

初期設定の「確認」権限モードでは、エージェントが書くノートに対して、ワークスペースへ1バイトでも保存する前に、完全な差分と承認カードを表示します。ネットワークを確認したときと同じように、重要な主張のつながりへポインターを重ね、出典原文を読んで検証します。

散在したチャットでは得られない価値が、後から戻れることです。数週間後に⌘⇧Kを押して案件を開きます。不在中にピン留めしたエンティティのグラフへ新しい根拠が加わっていれば、「前回の訪問後、{count}件のピン留めエンティティに新しい根拠があります:」という帯に、対象が正確に表示されます。これが確認リストです。内容を把握したら✕で閉じます。閉じた状態はそのセッション中保持されます。ログに1行を加えれば、調査を継続できます。

20分の小規模調査を行う

  1. プロジェクト、企業、人物など、ワークスペースがすでによく知っているトピックを選び、「新しいチャット」(⌘⇧C)を開きます。中心となるエンティティを@メンションして、2、3件の質問をします。
  2. セッション一覧でチャットを右クリック →「案件としてピン留め…」を選び、通知のエンティティ数を確認します。
  3. 案件詳細で名前を設定し、「この案件は何についてのものですか?」へ中心となる問いを1行で入力します。
  4. ピン留めしたチップからエンティティページを開き、つながりの1つへポインターを重ねて、出典原文を読みます。
  5. 隣接エンティティのページで「案件に追加」を使い、案件へピン留めします。
  6. 案件へ戻り、「キャンバスに表示」でグラフ上に切り出されたネットワークを確認し、「調査ログ」へ発見を1件書きます。

中心となる問い、2件以上のピン留めエンティティ、1件の取り込み済み会話を持つ名前付き案件ができます。新しいノートが追加された後に再び開くと、「前回の訪問後、N件のピン留めエンティティに新しい根拠があります:」という帯が更新内容を知らせます。

Gitとターミナルを調査に加える場面

コードやデータを扱う調査では、チャットの入力欄から橋渡しできます。以下はすべて@から選べます。

  • @選択画面の「ターミナル」は、開いているターミナルの直近のスクロールバックを文脈チップとして取得します。ドックでCSVを処理し、その出力を根拠としてエージェントへ渡せます。
  • 「ブランチ(Mainとの差分)」は、作業ブランチの差分をチップとして取得します。コードに関わる調査で「実際に何が変わったか」を確認する際に使います。
  • エージェント自身がコマンドを実行することもできます。「コマンドを実行中」チップ(長い処理では「バックグラウンドで実行中」)に、取得した出力が表示されます。
  • エージェントは実際のターミナルを操作できます。コマンドは現実のシステムに作用するため、自分で実行するときと同じ注意を払って承認してください。

調査手順の振り返りと案件の管理

調査の全工程をまとめると、ソースを入れる → チャットで問いを重ねる → チャットを案件としてピン留めする → 中心となる問いを定める → 出典原文を確認しながらピン留めを広げる → 場所を地図にする → 日付付きノートを書いて主張をStatementにする → 出典付きの報告を依頼する → 新しい根拠の帯から再開する、という順序です。そして構造を忘れないでください。案件は1つのグラフに対する視点です。「案件を削除」で消えるのはコンテナだけで、「ノートと会話は保持されます」。

案件を見失わず、発見を確かな知識にする

名前から案件へすぐに戻れます。タブが開いていれば、⌘⇧Kで案件一覧を開けます。各案件はコマンドパレット(⌘⇧F、サブタイトル「N件をピン留め」)にも1項目として表示されます。案件名を入力するのが最短です。

残すべき発見は実際のノートに書きます。調査ログは、進行中の考えをすばやく残す下書きです。発見を検索・引用できる第一級のStatementとしてグラフへ加えるには、実際のノートへ書く必要があります。考えはログへ、結論はノートへ残します。

これでコースは終了です。学んだすべてがこのレシピに収まります。ソースを入れ、エンティティを得て、問いに置き場所を与え、出典原文を1つずつ確認しながらネットワークを育て、すべての事実の由来を示せる報告を作ります。次の調査でも、同じ順序を自分にとって重要な問いへ適用できます。

調査資料の収集から出典付きレポートまで